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読んだ本の感想

読んだ本の感想

読んだ本の感想を、ただ書き並べたものです。「批評」ではありません。ブログに書いた日記からも引用しています。

男はなぜ急に女にフラれるのか?(姫野友美)

自身の体験を含めて、男友達からもよく「何で急に!?」っていう話を聞くので、タイトルにひかれて買ってみました。読み物としては、序盤は新しい知見が多くて楽しかったのですが、後半は同じような話ばかりで飽きてきました。医学博士である作者さんは、タイトルの問いの答えを、男女の脳の構造が違うこと、さらには、その違いを生み出した太古の男女間の役割の差、に結びつけているようです。ただ、本の中では、科学的っぽいデータをいくつか出した上で、僕から見ると「かなりの論理的な飛躍」の後、結論を出しているように感じられ、問いの答えを知った気分には、とてもなれませんでした。タイトルの問いに対する答えを求めなければ、「女性はこんな傾向があるんだよ」という男の子向けのガイドブックとしては役に立つかも。(2007年11月5日)

ハクバノ王子サマ(朔ユキ蔵)

研究室のTさんに勧められて、「ハクバノ王子サマ」という漫画を読みました。主人公は女子校の新任教師。 その新任教師と、三十を過ぎてちょっぴり焦ってる女の先生とのロマンスが話の主題みたいです。

女性の心理描写が臨場感あるなーっ思ってたら、どうやら作者の「朔ユキ蔵」さんは女性とのこと。なるほど、納得です。まだ、一巻しか読んでないですけど、とっても面白いです。早く続きが読みたい。(2006年11月26日のブログより)

11人いる!(萩尾望都)

この漫画は、大学2年生の時、京都に旅行した際に泊まったユースホステルで、初めて読んだ本。そのときの印象がとっても強くて、長い間、気になっていた作品なのです。約6年ぶりに読んだのですが、当時の僕と同じくらい、楽しめたと思います。

物語はサイエンス・フィクションで、宇宙大学への入学試験が舞台です。大学入試の最終試験は、外部から隔離された宇宙船に10人ずつのチームで閉じ込められて、53日間生き延びること。でも、宇宙船に入って人数を数えると、何故か受験生が11人いる!って感じのお話しです。話の流れが良くて、緊張感を保ったまま進んでいくので、物語の世界にどんどんと引き込まれていってしまいます。

本を手に入れてから、web上で色々と調べてみました。どうやらこの作品は僕の生まれる前、1975年に描かれたものらしいです。しかも、「小学館漫画賞」なる賞を頂いているとか。有名な作品だったんですね。

作者の萩尾望都さんは、今でも現役で活躍されているみたいです。機会があれば、他の作品も読んでみようかな。(2006年8月20日のブログより)

予知夢(東野圭吾)

この「予知夢」は、物理学者である湯川が、オカルトっぽい事件を解決していくシリーズの第二弾。直木賞をとった「容疑者Xの献身」もこのシリーズです。第一弾の短編集「探偵ガリレオ」に比べると、この「予知夢」に収録されている話は、物理現象の描写がくどくなくて、非常に読みやすいです。前作よりも、人の心情に焦点を当てた「人間ドラマ」が豊かになっています。物理を使った謎解きは、ドラマを引き立てるエッセンスになったかのよう。 物理学者が事件の謎を解くという特徴は薄らぎましたが、東野圭吾さんの描く人間模様が大好きな僕としては、とっても満足です。「容疑者Xの献身」もこの流れなら期待できそう。 読むのが楽しみになりました。(2006年3月2日のブログより)

さいえんす?(東野圭吾)

年末にゲットした東野圭吾さんのエッセイ、「さいえんす?」を読了しました。東野圭吾さんは工学部電気工学科の出身で、いったんエンジニアとして就職した後に、作家になった経歴の持ち主です。そのせいか、作品には科学的な考察のしっかりした描写が多い気がします。SF的な要素は別にして、「そんなことは物理的にあり得ないよ!」って思うことはほとんどないですし。

この「さいえんす?」はそんな東野圭吾さんが、ダイエットブームや恋愛問題、プロ野球の活性化など様々な話題について書き綴ったエッセイ集です。どの話も面白かったのですが、特に、「数学は何のため?」が興味深かったです。

「数学は何のため?」には、数学を学ぶ理由を問われたときに答えるべきことについて、東野圭吾さんの意見が書いてありました。数学教師は生徒に授業をする前に、これから学ぶことがどれほど役立つかをきちんと説明すべきだという主張も。日々、数学の大切さ、面白さを実感している僕にとっては、なるほどとうなずける内容でした。

他にも、本が作られる上でのお金の流れについてのエッセイ「本は誰がつくっているのか」も要注目。普段、ついつい古本屋さんを利用してしってますが、それだと作家さんや出版社には一銭の特にもなってないのです。古本屋や図書館のみを利用する人が増えて、書店で正規の値段で本を買う人が減ると、新しい本が生み出す為のお金がなくなってしまう。 読書を楽しめなくなる、大問題です!この問題、日頃から気にしてはいたのですが、安さにつられてついついブックオフ等で買ってしまってます。その作家が好きかどうか以上に、もうちょっと真剣に考えないといけないかもしれません。

東野圭吾さんのエッセイは、他にも、小学校から大学までの学生生活を書いた「あの頃ぼくらはアホでした」を読んだことがあるのですが、こちらも良かったです。僕の感性と東野さんの文章とは相性が良いのかもしれません。(2006年1月18日のブログより)

片想い(東野圭吾)

この『片思い』は性同一性障害など、ジェンダーの問題をテーマにした小説です。『秘密』と何となく似た雰囲気だけれど、SF的ではなくて、より現実感があります。「男」と「女」とは何だろう? 登場人物と一緒になって、僕も深く考えてしまいました。かなり、お気に入りです。(2005年10月31日のブログより)

Copyright (C) 2007, Tsuyoshi Okubo
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